今回紹介するのは阪神タイガース所属の下村海翔選手(22歳)(2024/11/21時点)です。
下村海翔選手は日米大学野球選手権ではMVPを獲得した最速155km/hのストレートと高い制球力が武器のピッチャーです。
2023年にドラフト1位で阪神タイガースに入団しましたが、春季キャンプでは大学時代の疲労回復のためとして二軍スタートでノースロー調整。
2024年4月11日にはトミー・ジョン手術を受けたと球団より発表がありました。
下村海翔選手は大学1年時にも右肘の怪我が原因でクリーニング手術という手術を受けており、今回で右肘の手術は二度目となります。
ドラフト1位で即戦力を期待されていたピッチャーだけに、入団早々に怪我で離脱とあっては今後の活躍が心配ですよね。
そこで今回は下村海翔選手の現在の状況やトミー・ジョン手術とはどういった手術なのか、怪我からの復活時期や今後の展望など気になる情報盛りだくさんでお伝えしていきたいと思います。
阪神ドラフト1位・下村海翔、右肘トミー・ジョン手術で今季絶望
下村海翔選手、プロ入り早々に大ピンチ!
昨年日本一に輝いた阪神タイガースの即戦力を期待されドラフト1位指名で入団した下村海翔選手。
「期待に応えられるように、しっかりやらないといけない」と、やる気十分なコメントを残していました。
しかし春季キャンプは大学時代の疲労回復のためとして二軍スタート。
岡田彰布監督は「慌てる必要はない」とコメントしており、練習もブルペン投球以外は通常メニューをこなしていたとのことです。
しかし4月11日に球団から下村海翔選手が右肘の怪我のためトミー・ジョン手術を受けていたことが発表されました。
トミー・ジョン手術の内容と今後の見通し
トミー・ジョン手術を受けた場合、実戦復帰には12ヶ月から15ヶ月を要します。
また故障前と同レベルの投球が可能となるのは術後18ヶ月とされ、1〜2シーズンは投手としての活躍は難しいと言えます。
下村海翔選手は、一日でも早く復帰しチームの力になれるように今後のリハビリに誠心誠意、取り組んでいきたいとコメントしており、現在は懸命にリハビリに励んでいると思われます。
今後の見通しについては「まだ先のことは正直見えない。トレーナーの方と相談しながら、日々できることを。しっかり試合で投げて思いっきりプレーできるように一生懸命頑張ります」と語るにとどめたが、通例ではリハビリに1年以上かかるため今季は絶望的。焦らずじっくりと復活への道を進む。
引用元:スポーツ報知
下村海翔選手が手術を決断
怪我の経緯と手術の決断
下村海翔選手は1月の新人合同自主トレから全力投球が出来なかったようです。
キャンプ中にノースロー調整など様々な可能性を模索したが状態が上がらなかったため、「今のうちになんとかこの不安を取り除きたいと思いました」と手術に踏み切った経緯を説明していました。
球団内にもトミー・ジョン手術を受けた後に一軍で活躍した選手がいるのも手術に踏み切れた一因だったとコメントしています。
トミー・ジョン手術とは?成功率やリハビリ期間は?
ではトミー・ジョン手術とはどのような手術なのでしょうか。
正式には側副靭帯再建術といい、肘の怪我、おもに靭帯や腱の損傷・断裂に対する手術です。
アメリカの整形外科医・フランク・ジョーブによって考案され、最初にこの手術を受けた投手のトミー・ジョンにちなんでこう呼ばれるようになりました。
1986年から2012年までにトミー・ジョン手術を受けたメジャーリーグの投手の実戦復帰率はマイナーリーグも含めると97%と高い数値を示しています。
当初、トミー・ジョン手術の成功率は1%といわれていました。
現在ほどの高い成功率に至った要因は術式の進歩ではなく、リハビリテーションの知識と方法が大きく進歩した事によるといわれています。
最初にトミー・ジョンがこの手術を受けた際は成功率1%未満とされていたが、スポーツ医学専門誌の“The American Journal of Sports Medicine”が1986年から2012年までにTJ手術を受けたメジャーリーグベースボール(以下MLB)傘下の投手を調査したところ、83%がメジャーに復帰し、マイナーも含めると97%が実戦復帰を果たした。成功率向上の要因としては、手術そのものの技術的進歩があったからではなく、リハビリテーションの知識と方法の著しい進歩と改善によるものだとされている。
引用元:Wikipedia
下村海翔選手はプロ入り前から故障との戦い
高校時代に経験した肘の故障
下村海翔選手が最初に肘を怪我したのは大学入学直前でした。
寒い日になると右肘に痛みを覚え、ずっと違和感が続いていたそうです。
地元の病院でX線検査を受けるも結果は『異常なし』。
当時すでに青山学院大学の野球部寮に入寮していた下村海翔選手は異常なしと診断されたため、そのまま痛みを我慢しながら投げ続けたといいます。
青山学院大学での故障と復活
入学後も痛み止めを飲みながら登板を続けましたが、投球回が増えるごとに痛みは増すばかり。
1年生のシーズン再終戦後、痛みに耐えられなくなり横浜の病院で再検査を受けたところ、肘関節の軟骨が損傷しており『クリーニング手術』が必要と判明しました。
怪我の程度は大きく、当時は実戦復帰の見通しは立っていなかったといいます。
本来なら投球練習を再開していたかった時期に激痛で投げられなず、苦しく悔しいリハビリ期間が続きました。
そんな下村海翔選手を支えたのはリハビリの先生と安藤寧則監督でした。
二人に支えたれた下村海翔選手はリハビリ中、特にウェイトトレーニングに力を入れました。
ひたすら身体能力向上に務めた結果、チーム内の体力測定で1位を争うようになったといいます。
大学入学当時は社会人相手に苦戦することが多かったが、手術明けのオープン戦では簡単に前に飛ばされることはなくなった。短いイニングという注意書きは付くが、直球の最速は150キロを超え、平均球速も手術前と比べ147.8キロと約6キロほど早くなった。「絶対上がっているという自信はあったんですけど、まさかここまで変わるとは思っていなかったです」
引用元:4years.
3年春のリーグ戦でクローザーとしてチームに復帰し、同年秋からは先発を務めました。
4年春のリーグ戦ではチームとして33季ぶりとなる優勝を成し遂げ、同年7月には日米大学野球選手権大会の日本代表に選出されMVPを獲得します。
9月13日付でプロ志望届を提出し、プロ野球ドラフト会議で阪神タイガースから単独1位指名を受けました。
まとめ
今回は阪神タイガースの下村海翔選手を紹介しました。
右肘の怪我のため春季キャンプは二軍スタートとなっており、4月11日には側副靭帯再建術、通称トミー・ジョン手術を受け退院したと球団から発表がありました。
トミー・ジョン手術は現在では実戦復帰率は97%と高い成功率を誇ります。
しかしリハビリには長期を要し、今季の登板は絶望的と言わざるを得ません。
即戦力を期待されていただけに登板しないまま手術に踏み切ったのは残念でしたが、不安材料を残したまま試合に臨みたくないという本人の気持ちも理解できますよね。
もちろん大谷翔平選手やダルビッシュ有選手のように、この手術を受けたのち大活躍をしている選手も大勢います。
下村海翔選手にも現在はリハビリに専念し、1日でも早く復活して一軍で活躍する姿を見せてもらいたいですね。